英国では１９７１年に通貨の改革が行われました。
１２進法に基づくクラウン、フローリン、シリングは廃止され、１０進法に基づくペンスとポンドに統一されました。
現在発行されている硬貨は、2ポンド、1ポンド、50ペンス、20ペンス、10ペンス、5ペンス、2ペンス、1ペニーの8種類です。
すべてのコインには国家元首エリザベス女王が刻印されており、反対側のデザインは下記のとおりです。
2ポンド：技術革新を象徴したデザイン。縁にはニュートンの言葉「巨人達の肩の上に立って」が刻印されています。
1ポンド：国王の紋章
50ペンス：ブリタニア（大英帝国を象徴する女神）とライオン
20ペンス：冠を頂くテューダー・ローズ（テューダー朝のバラ）
10ペンス：冠を頂くライオン（ライオンはイングランドの象徴）
5ペンス：アザミ冠紋章（スコットランドの国花）
2ペンス：プリンス・オブ・ウェールズの羽根徽章
1ペニー：要塞の格子紋章 （英国議会のシンボルマーク）
ちなみに１２進法時代のコインのデザインは下記のとおりです。
6ペンス：バラとガーランド、アザミ、シャムロック、ネギとＦＩＤ ＤＥＦ(英国国王の尊称)
3ペンス：要塞の格子紋章 （英国議会のシンボルマーク）
１シリング：豹（イングランドバージョン）
１９６２年の１シリングや１９６７年の３ペンスには即位当時の若々しい女王が描かれていますが、１９７０年の５ペンスを経て現在のデザインに至る過程では加齢に応じて少しづつ表情が変化してきています。
やはり女王でも齢はとるんですね。
１８９９年の１ペニーを飾るヴィクトリア女王は、大英帝国が世界を制覇し輝いてた時代の女王で、「インド女帝」と呼ばれていました。
１９６８年の１０ペンスと２０００年の１０ペンスはデザインに大差がありませんが、サイズが３／４程度に縮小されています。
１／２ペンスの帆船、ゴールデン・ハインド(Golden Hind)は、1577年に建造されたガレオン船で、戦列艦の原型にもなった船種です。この船は、フランシス・ドレーク(Francis
Drake)が、イギリス人で史上２番目に世界一周を達成した船です。
